美は、引き算から生じる。
バッサリ削がれ、核心が残された本質の姿には、神々しさが放たれる。
引き算を恐れてはならない。
だが、引くものがないのに引き算はできない。
足し算していく普段の努力が、いざというときに引くものを生む。
目を引くものと、目に余るものの違いを知っておく。
伊邪那美神が「千の命」を断つと申され、その際に伊耶那岐神が「千五百の命」を生むと申された。
神話から得るべきは、千の命を断つことを阻止するのではなく、差引して五百の尊い命を育むと申されている点にある。
真理への示唆は、大事にわきまえておくことが大切だ。